金環蝕
今回はこちら。
「金環蝕」
作者:千花鶏
「きっと御伽話なら、めでたしめでたしで終わるのに」
死の呪いを身に受けて悠久の時を生きる男と、その解呪の方法を追究する里に生まれた魔術師の娘。 とある遺跡を調べるべく、ふたりは旅に出る。
―― これは永劫に続く歴史の狭間で、刹那だけ重なった生の記録。
前に紹介した、女王の化粧師と同じ世界観です。
他にも、裏切りの帝国という作品がありますが、こちらのほうが文章量がライトなので、読みやすいかと思います。
(女王の化粧師、裏切りの帝国ともに、超長編なので読むのに時間がかなりかかります…)
女王の化粧師よりもさらにファンタジー感が増しているような作品です。
不死身の男を支える一族の少女ヤヨイの心の揺れ動く様が、とても美しく、そして儚く感じられます。
不平等な時間の流れの中で、わずかに絡まった彼らの行く先が、どうか良いものであれと思わされる作品です。